「それにしても、会長に待たれるってどんな気分?つーか、会長ってどんな顔して朝待ってんの?にこにこしてんの?」
きょうちゃんに聞かれて、私はしぶしぶ答える。
「…寝てる」
「寝てる?」
「立ったまま寝てる」
「王子が?」
「王子じゃないから全然」
王子なのはスペックと見た目だけで、性格は王子なんてもんじゃない。
身勝手で、横暴な、俺様。
チョコボールなくなっただけで、機嫌悪くなるし。
「寝てるあいだに逃げてみたら?」
森川が人差し指をたてて提案してくれるけど、私は首を振る。
「もうやった」
「え、失敗したの?」
「初日にやった。起きた会長に後ろから首根っこつかまれて…」
思い出しただけでぞっとする。
にっこり笑った会長の、あの綺麗な目は、笑ってなかった。
「舐めた女だな。って言われたんだよ」
2人は、「こえー」と声を揃えた。


