「ごめん、ここ嫌だった?教室帰りたい?とーるも悪気ないんだよ、きっと昼休みとーるのファンたちに囲まれちゃうんじゃないかって、だから様子見にいってやってって、とーるなりに心配し…」
私の顔を覗きこんで必死に説明する流奈さん。
違うんです、と、説明したいのにできないでいると、副会長が代弁してくれた。
「流奈、桜田は、笑ってるだけだ」
「え…」
流奈さんのぽかんとした顔。
私は堪えきれなくなって、声を出して笑ってしまう。
だって、だって、チョコボールで、そこまで真剣に喧嘩するって。
「何事かと思って、ドキドキしました」
まだおさまらない笑いに肩を震わせながら、笑いすぎて溢れた涙を拭って言うと。
流奈さんは、ぱちくり、長い睫毛を上下させて。
「…こりゃ、可愛いわ」
ぽつりと呟いた。
「とーるに、見せてあげたかった」
副会長の方を見て訴えるように言うと、副会長は困ったように笑う。


