「好きだよ」
少し目を伏せて、会長が囁く。
「あの時から、ずっと好きだよ、お前のことが」
頬を流れる涙がこんなに、あたたかい。
誰かの言葉がこんなに、あたたかいなんて。
「…毎週のように男に呼び出されてるお前を見ては、いつか誰かのもんになればいい、そしたら諦めもつくのにって。でもどれも無情に切って、そのくせ寂しそうな顔するお前を見てたら、もっと好きになった」
ずっと、見ててくれたの?
あの日から、ずっと?
「さーどうだ、俺の愛の深さに驚いたか」
椅子にふんぞり返って偉そうに言う会長に、本当は笑いたいのに、ただ泣いてなにも言えずにいると。
「なんか言え」
困ったように笑う、愛しい人。
私は涙を拭いて、まっすぐに言う。
「好きです」
会長は少し照れたような顔で、私を見る。
なにを今更、照れてるんですか。


