「親から授かった大切なもの、人と違うからって捨てろって言うんですか。そんな権限が、あなたたち教師にあるっていうんですか」
…思い出した。
「私は、黒染めなんてしません。親からもらった自分を、大切にしたいので」
入学式のあと。
生徒指導室に呼び出されたこと。
「…ドアの向こうでお前は、俺の欲しい言葉をくれた」
会長の瞳が、細くなる。
「俺がずっと、言えなかったことだ」
あの日を、見るように。
思い出した。
そのまま怒って生徒指導室から勢いよく出た時、ぶつかりそうになった鮮やかな金色。
私を見下ろした、綺麗なブラウンの瞳。
怒りにまかせて頭も下げず、私はそのまま走り去った。
会長と、出会ってた。
あの日。
入学式のステージでぼんやり見た、会長と。


