会長は静寂の中、マイクに顔を寄せ、愉快そうに口を歪めると。
「最後にお知らせだ」
少しざわつく体育館なんて気にも留めず。
「2年C組、桜田未来」
ぼろぼろ泣いている私の名前を呼ぶ。
きょうちゃんと森川や、他生徒全員の視線が集まるのが分かるけど、泣きに泣いている私はそれどころじゃない。
会長は、そんな私をステージ上から困ったような笑顔で見つめて。
「2年C組桜田未来、卒業式後に生徒会室まで来い」
わあっと、歓声や悲鳴の入り混じる体育館。
涙はまだ止まらない。
「俺が、お呼びだ」
卒業式に、答辞の最後に、全校生徒の前で…。
最後の最後まで、普通じゃない。
最後の最後まで、一番目立つ。
そんなあなたが、好きです。
泣きながら頷くと、体育館はまた悲鳴のまじる歓声で溢れた。


