「…でも、ちょーっとやばいかもね、未来」

「うん、やばいかもな」


どういうこと?

目で聞くと、2人は教室のドアを指さす。


見ると、他クラスや他学年の女子生徒がわらわらと、廊下に群がっているのが見えた。


それらの視線が一斉に、私に注がれているのが分かる。


それは好奇の視線ばかりじゃない。


嫉妬や怒りの、視線。



「ちょっと待って…」


私は机に突っ伏す。


「本当、無理なんだけど」


泣きたくなってきた。



――『無理は、無理』



その言葉を思い出すと、本当に泣きたくなる。


3限のチャイムが鳴ると、先生に促された女子生徒の群れは各方面へと分散した。