「男をほいほい部屋に入れんな」
会長の静かな声。
ふざけてない、本気の声。
「…ほいほいじゃ、ありませんよ」
囁くような声で言うと、視界が揺れて、カーペットの上に組み敷かれていた。
今はもう黒い会長の髪が、綺麗な顔に影をつくっている。
この角度で見ても、綺麗だな。
ぼんやり、そんなことを思う。
「こんなほっそい身体で」
掴んだままの私の手首を、会長は見つめて。
「襲われても逃げられねーぞ…」
あまりに低く、優しい声で囁いてから。
私の手首にそっと、唇をつける。
身体がふるりと、震えてしまう。
会長がじっと、ブラウンの瞳で私を見下ろす。
そしてそのまま、覆いかぶさってくる。
会長の甘くて柔らかい香りが、降ってくるように。
離さないで。
ずっと。
話さないで。
なにも。
ゆっくり目を閉じた時、会長の動きが止まった。


