今、何時なんだろう。
友梨子さんと別れてどれくらい経ったのか分からない。
あのファミレスから歩いて帰るのは少し無茶だったかもしれない。
スマホを見れば時間くらい分かるけど。
風は午前中より冷たくて、私の身体を芯から冷やすようだ。
もう…12月がくる。
もうすぐ、会長は、会長じゃなくなる。
息を吐くと、息に色がついていた。
白い息なんて、久しぶりに見た。
…限界。
友梨子さんの言葉が蘇る。
――『透くんも、限界くらいは分かってる』
会長の、限界。
私の、限界。
ふふ。
少し笑える。
なんだっけ。
普通の恋が、欲しかったんだっけ。
特別じゃなくていいんだっけ。
そんなこと、思ってた頃に、戻りたい。
戻りたいなあ、本当。
なんて、ふふふ。
笑ってしまう。
今泣いたら、取り返しがつかなくなりそうだから。


