「おひめさまはどこ?」
聞かれて私は、とほほ、となる。
「さー、どこだろーなー。黒子ならいるんだけどなー」
うるさいよ…。
「お兄ちゃんは、劇出るの?」
「出ないよ。お兄ちゃんは、このお姉ちゃんと同じ、裏方だ」
「…ラブラブってこと?」
「ご名答。頭のいい子だな」
会長はもう一度2人の子どもの頭をくしゃくしゃと撫で、
「迷子になんなよ」
とだけ言って、私の手を引いて歩きだした。
私は真っ赤になっているので、それがばれないように黙ってついていく。
かの生徒会長が、黒子の手を引いて廊下を歩いている姿はさぞかし目立つだろう。
視線が集中しているのが分かる。
本当に、黒子で良かった…。
『桜田さんだよね、あの黒子…』
バレてるけど…。
『まじで会長の趣味って分からんわ…』
引かれてるけど…。


