「森川はさー。おおらかすぎんのかな」

「こう、男のオーラ?がないよね」

「ふふ。…でも好きなんだ?」


からかうように言ってみると、きょうちゃんはこくんと頷いた。


クールに見られがちなきょうちゃんのきりっとした横顔が、ほんのり赤くなって可愛い。


恋をしたら、こんなふうにみんな可愛くなるのかな。


「な、なんにせよ、あいつは分かりにくすぎる!」

「…あ、でも、会長は気づいてたって」


昨夜、会長が話していたことを思い出した。


「森川は好きなんだろうなって思ってたって」

「えー分かんのかな?男同士」


「なんか鋭いからね、あの人は」


苦笑いして言うと、きょうちゃんに顔を覗きこまれて。