捉えられたように、私は身動きがとれなくなる。
さっきまでの恐怖感は消えて。
現実離れした静寂の中。
私はその男の大きな瞬きに、吸いこまれてしまいそうだった。
それくらい、窓から差しこんだ光を浴びる彼は、儚げで綺麗だった。
「そんなとこ突っ立ってないで、こっち来なよ」
会長に言われて私はようやく現実にかえり、わたわたと周囲を見渡す。
背後の扉は閉められていて、さっきまで隣にいたはずの2人はもういない。
泣きたい。
あんな2人でもいてくれた方が少しは心強い。
そんな泣き言を心の中で呟きながら、おそるおそる足を踏みだす。
会長席の前まで歩き立ち止まると、彼は満足したように一度頷いた。
目にかかりそうでかからない金色の髪が、光に透けて綺麗だ。
染めたんじゃ、ないんだ。
人工的な色はこんなに綺麗に光を通さない。
この距離で見たら、生まれつきの色だと一目で分かった。


