こんなに近いのに。
引きよせて抱きしめることなんて、簡単なのに。
未来の心を開くのは、こんなに難しい。
掴んでいた手を離して未来の前髪に触れると、未来の頬はほんのり色づく。
はいはい可愛い。
しかも今日は髪型いつもと違って余計可愛い。
しかも最近は触れても怒らないから一層可愛い。
もっと触れたくなる衝動を堪えて、俺はもう一度聞く。
「なんかあったか?」
未来は俺を上目遣いで見上げて、ようやく言った。
「…玉入れ」
玉入れ?
「ああ、未来1個も入らなかったな」
「…見てたんですか?」
「見てたよ。…怪我なくてよかった」
「…会長、玉入れの玉の中って、なにが入ってるか知ってますか?」
「粉だろ」
「ブー。小豆です」
…あっそう。


