どこからか聞こえてくる女の子たちの声を聞きながら、苦笑いしていると。


「未来も久しぶりでしょ?会長…」


きょうちゃんが振り返って、悪戯っぽく私に耳打ちした。


久しぶり。

あの日以来。

確かに久しぶりなのかもしれない。


でも熱にうなされるベッドの中で、私は会長のキスのことばかり思い出していて、風邪が治ったら治ったで、後遺症みたいに会長のことばかり考えていた。


副会長と流奈さんの話や、会長の家のこと…。


だからかな。

久しぶりって感じもしない。


…だめだな、これ。

私は自分に呆れてしまう。


辺りがしんと静まりかえるとすぐに、会長がマイクの前に立ち、恒例の挨拶をはじめた。