「勝手なこと言わないでください」
声が震えていた。
「…ねえ桜田サン、それこそ有名税ってやつじゃん。甘んじて受け入れろって感じだし」
そう言われて思い出したのは、私じゃない女の子をまっすぐ見つめた、会長の顔だった。
…野外活動の時。
私を責めたファンクラブの女の子を、まっすぐ見つめて会長は言った。
――『俺は君の意思を尊重する。俺を支援してくれることに感謝もする』
――『だから、俺の意思も尊重してほしい』
――『ファンクラブの全員に頼んでるわけじゃない。ただ、今、こうして話してる君には頼みたい』
どこまでも真摯に、あの子に向き合った会長。
あの子の想いを傷つけないよう、怒らず、騒がず、正しく、私を守った。
ただの目立ちたがりのボンボン?
私だって、そう思ってた。
そう思ってたのに。


