思いながら昇降口を出ると、外は雨だった。
あ、傘…、今日、持ってきてないや。
梅雨に入ってから、天気予報の降水確率はあてにならない。
教室の置き傘、借りてこようかな。
そう思ってため息をついた時。
「入れよ」
会長がビニール傘を広げて、私を見て言った。
「え?」
「傘、ないんだろ?」
「いえいえいえいえ」
「なに、あんの?」
「いや、ないんですけど、大丈夫です、置き傘、借りてくるんで!」
両手をぶんぶん振って言うと、会長はチッと舌打ち。
…ひい。
「時間の無駄。早く行くぞ」
腕を引かれて、傘の中に連れこまれる。


