キャーッと歓喜の声が一斉に溢れ、ほとんどの女子生徒が勢いよく右手を挙げた。
先生たちは、額に手を当てて目を閉じている。
しっかりしなよ、先生…。
そんなことを思うけど、そこは阿吽の呼吸。
「挙手終了」
生徒会長が言うと、体育館はまたしんと静まりかえる。
「…多くね?花粉症」
くすり、笑って会長が言うと、今度は体育館は至福のため息で満たされた。
それから会長がちょっと真面目に話しはじめると、全校生徒はもうその声にただ耳を傾けるだけ。
完全に、この空間をコントロールしている。
綺麗な外見だけじゃなく、カリスマ的な内面。
県内ナンバーワン偏差値のこの高校を、成績トップで入学した秀才。
あまりの支持率から2年生の時に生徒会長に抜擢されたらしい。
噂によれば、どこかの大企業の御曹司。
…確かに育ちのよさが内側から滲みでている。
選ばれた人ってすごいな、と思う。
色んな人に選ばれて、望まれて、ステージに立つ、特別な人。


