イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛



…はじまったな、と思う。


きょうちゃんが両耳に指をつっこんでいるのが、面白くて笑ってしまう。


さっきまで私たちにすごんでいた担任の先生やその他の先生は、この恒例行事に関してはもう諦めモードで、どれだけ体育館が騒がしくなっても誰も怒らない。


先生も全校生徒も当の生徒会の人たちも、慣れっこになっている。


それに、この騒ぎもあと少しで簡単におさまる。


金髪の男、そう、我が校の生徒会長が、ゆったりとステージを歩き。


中央のスタンドマイクの前に立てば。


さっきまでの騒めきや黄色い声が嘘のように、体育館は完全な静寂に包まれた。


各地で騒いでいた女の子たちは、ごくり、と息を飲んでステージを見つめている。


会長の御声を聞こうと、全神経を集中させているんだろう。



…相変わらずすごいなぁ。


私にとってはどこまでも他人事なので、ぼんやりそんなことを考える。