『そっか…』


私は、うなづいた。


『ごめん…大智の気持ち…まだ信じられないから』


『仕方ないな。でも、もう少し時間かかってもいいから理解して欲しいな。雅妃が…漣さんを好きなのは…よくわかった。でも僕の方が全然付き合い長いし、お前のこと良くわかってるから、必ず大切に出来るよ。僕は…諦めないから』


『大智…あなたにはたくさんのファンがいるんだよ。私なんかよりも美人で可愛い人が、日本中に、ううん、世界中にたくさん…』


そう言った瞬間、大智は私を抱きしめた。


『それ以上言うな。僕が好きなのは…他の誰かじゃない、雅妃なんだからさ』


嘘…


胸が…キュンキュンする。


不思議な感覚。


ずっと大事に思ってた友達と…


私は今、抱き合ってるんだ…


亜希斗さんに抱きしめられた時とは全然違うけど…


それでもやっぱり…


ドキドキしちゃってる…


『もっといい曲作るから。雅妃のために…だから、ちゃんと聞いて欲しい』


私のためになんて…


大智が作るのは、ファンのために…でしょ…


でも…


今は、それを口にするのは…止めた。