『元々違う俳優に着いてたんだけど、亜希斗が自分に着けて欲しいって。その時亜希斗に着いてたマネージャーが、多忙過ぎて体調を崩していたからね。だから…俺が変えた。和倉ちゃんは…亜希斗に1番相応しいんだ。誰よりもね』


漣さんが和倉さんを指名した?


そんな…


どうしてあんな地味な人を?


信じられない。


『でも、やっぱり、私だったらあんなマネージャーは嫌です。それに、進藤専務さんも、もう少し役者側に立った発言をして欲しいです。じゃないと…何のために血のにじむような努力をしてきたかわからないじゃないですか!悔しくても苦しくても…負けずに這い上がって来たのに…』


『もちろん、君の努力は認めるよ。みんな、ちゃんと分かってる。だからこそ、花楓ちゃんは…もっと心を磨くべきじゃないかな。俺はいつでも相談に乗るよ。まあ、映画の撮影は長いんだ。和倉ちゃんとも仲良くしてやってよ…』


そんなこと…


出来る訳ないじゃない。


私は…


漣 亜希斗の側にあの人がいることが…


許せないんだから。