『お疲れ~』


『お疲れ様でした!』


『また、よろしくお願いします』


今日の撮影が無事に終わり、俳優、スタッフがみんな声を揃えた。


『お疲れ様でした。お送りします』


私が言うと、亜希斗さんはうなづいて車に乗り込んだ。


でも…


私の言うことを聞かずに、また助手席に…


まあ、何度言っても無駄かな。


それにしても、まだ5時半なのに外はもう真っ暗だ…


冬の夕暮れは、とても早くて…


ちょっと寂しい。


車を走らせてたら、亜希斗さんが、


『何か食べたい』


って、前を向いたまま呟いた。


『コンビニ寄りますか?私、何か買ってきます』


『コンビニはいい。どこかで雅妃も一緒に何か食べよう』


え…


一緒に…って…


『ちょっと、無理言わないで下さい。お腹すいてるのはわかりますけど、さすがに2人ではダメですから』