本当にそう思った。


この子は、人気が出るだろうな…


『良かったね、櫻』


『うん!ありがとう、お姉ちゃん。大智君、私、頑張って見ます!本当に…ありがとうございます』


お姉ちゃんか…


久しぶりに聞いたな。


雅妃も嬉しそうに笑ってる。


でも…


この笑顔は、僕に向けられたものじゃない。


今、雅妃の中には、どのくらい亜希斗さんがいるんだ?


もう、全部が亜希斗さんで埋め尽くされてる?


僕には…


雅妃を幸せにすることは出来ないのか…


新しい曲も、雅妃のために書いてる。


でも…


何をしても届かないとしたら…


僕は…


これから先、どんな思いで生きて行けばいいんだろう?


亜希斗さんと雅妃を…


笑って素直に認められる日が来るのか?


雅妃は…亜希斗さんに告白したのか?


これからするのか?


上手くいくのか、フラレるのか…


そんなこと、他人の僕が詮索しても仕方ないのに。


なのに、気がつけば…


僕は、そのことばかり考えてしまってる。