まず絶対に彼女だとは思わないだろうな…


知り合い?


友達?


親戚、いとこ…とか…


『いただきます』


和食の料亭みたいな立派なお店。


綺麗な畳にフカフカな座布団。


食事は上品な味付けで、繊細な盛り付けが目を引いた。


憧れの亜希斗さんと2人、こんな素晴らしいところで食事が出来るなんて…


本当に…


いいのかな?


私だけがこんな楽しくて、ファンの人達には申し訳ないし、ちょっと気が引けるけど…


でも今日は…


亜希斗さんに甘えようかな…


『雅妃、食べたら…ちょっとタクシーで行きたいとこがある』


『は、はい』


本当に…言われるがまま。


私は、タクシーを呼んだ。


食事を終え、タクシーに乗り込むと、運転手さんは亜希斗さんに気づいたみたいだった。


でも、何も声をかけない。


運転もスムーズで、また乗りたくなるような対応だった。