そんな彼がモテないわけがない。社交の場に顔を出せば、常に女性に囲まれているもの。
しかし彼はいまだに独身。それには様々な噂が飛び交っている。
仕事人間で他のことはもちろん、他人にも興味を持たないとか。そして冷徹な性格の彼には、これまでに婚約者という存在が複数人いたが、結婚には至っていない。
それでも彼と結婚したい女性は後を絶たず、果敢に攻める女性もいるらしい。
「そろそろ三十歳になるというのに結婚できないのには、それなりの理由があるはずだ。きっとひどい亭主関白で、女性に手を上げるタイプなのかも。いや、女性に興味がないって聞いたことがあるから、もしかしたら同性しか好きになれないって可能性もある」
ブツブツと呟きながら言うと、敬一はギュッと私の両手を握った。
「だから姉さん! 結婚はやめたほうがいい。やっぱり俺が父さんに言ってくる」
私の手を離すと、再び立ち上がった敬一に私も腰を上げた。
「ありがとう、敬一。でも私なら大丈夫だから」
「だけどっ……」
「本当に大丈夫」
間髪を容れずに言うと、敬一は押し黙る。
「どんな人なのか、ちゃんと面と向かって会って話してみないとわからないでしょ? 噂がすべて真実とは限らないもの。もしかしたらすごくいい人かもしれないし」
「いいや、それだけは絶対にない! 俺も何度か挨拶をしたことがあるけど、目が怖かった。あんなの、人間の目じゃないよ」
しかし彼はいまだに独身。それには様々な噂が飛び交っている。
仕事人間で他のことはもちろん、他人にも興味を持たないとか。そして冷徹な性格の彼には、これまでに婚約者という存在が複数人いたが、結婚には至っていない。
それでも彼と結婚したい女性は後を絶たず、果敢に攻める女性もいるらしい。
「そろそろ三十歳になるというのに結婚できないのには、それなりの理由があるはずだ。きっとひどい亭主関白で、女性に手を上げるタイプなのかも。いや、女性に興味がないって聞いたことがあるから、もしかしたら同性しか好きになれないって可能性もある」
ブツブツと呟きながら言うと、敬一はギュッと私の両手を握った。
「だから姉さん! 結婚はやめたほうがいい。やっぱり俺が父さんに言ってくる」
私の手を離すと、再び立ち上がった敬一に私も腰を上げた。
「ありがとう、敬一。でも私なら大丈夫だから」
「だけどっ……」
「本当に大丈夫」
間髪を容れずに言うと、敬一は押し黙る。
「どんな人なのか、ちゃんと面と向かって会って話してみないとわからないでしょ? 噂がすべて真実とは限らないもの。もしかしたらすごくいい人かもしれないし」
「いいや、それだけは絶対にない! 俺も何度か挨拶をしたことがあるけど、目が怖かった。あんなの、人間の目じゃないよ」



