政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~

 両親の愛情を受けることはできなかったけれど、敬一だけは違う。姉として昔からずっと慕ってくれている。敬一の存在に何度救われてきたか……。

 そんな敬一は、亡くなったママの存在を知らない。私も敬一もお母さんから生まれたと思っている。
 知らないからこそ敬一だけは、本当の家族として接してくれているのかもしれない。

 でもそっか。私が結婚するのはあの彼なんだ。

 二十歳を過ぎてから、お父さんに連れられて行った社交の場で、何度か彼のことを見かけたことがある。

 私より八歳上で、大学を卒業してすぐにサイレンジで働き始めた彼は重要なポジションに就き、今では専務として会社を動かしている。

 高校生の頃から何度か留学経験を持ち、大学在学中には海外企業にインターンに行ったとか。

 そこで多くのことを学び、その手腕を発揮していると聞いたことがある。

 近々副社長に就任し、ゆくゆくは会社のトップに立つ人だ。

 それに加えて一八五センチの長身。綺麗な黒髪に整った顔立ちをしていて、芸能人顔負けの容姿をしている。