すると弦さんはあっさり了承。そればかりか、久しぶりに会うんだからゆっくりしてくるといいと言って、このホテルのアフタヌーンティーを予約してくれたのだ。

「未来から結婚するって最初に聞いた時はすごく心配したけど、なんかうまくいっているみたいじゃない?」

「……うん、そうなのかも」

 弦さんとの関係は順調だと思う。彼の本心は読めないが、とても大切にしてくれているのが伝わってくるし、家族になろうとしてくれている……と、思う。

「それに未来、すごく綺麗になったね。ふふふ、愛されている証拠かな」

 ニヤニヤする美香をジロリと睨みながら「からかわないで」と言えば、彼女は「本当のことなんでしょ?」とますます茶化す。

 だけど少し経つと表情はガラリと変わり、美香は真剣な顔で言った。

「未来がつらい思いをしてきたことを知っている親友の立場からしたら、本当に未来が幸せそうで安心した。あれだけ未来に冷たくしていたくせに、結婚の自由まで奪うなんて、どんな親なの!?って何度未来の親に言いに行こうと思ったか」

 そうだ、美香はいつも私の味方だった。外部入学だった美香から声をかけてくれて、私たちは一気に仲良くなったんだよね。

 明るくて前向きな彼女と一緒にいると、いつも自然と笑えるの。私の話を聞いてくれて、一番の理解者だと思っている。