「もう本当に弦はいい子を選んでくれてよかったわ。未来ちゃん、こちらこそよろしくね」

 お義母さんにつられて、私も涙が止まらなくなる。

 家族になりたい。お義父さんとお義母さん、そして……。

「おい、これは何事だ?」

 私とお義母さんが泣いていると、お義父さんももらい泣き。三人で笑いながら泣いているところに、電話を終えた弦さんが入ってきた。

「どうしたんだよ、泣きながら笑うなんて」

 私の隣に座ると、弦さんは心配そうに私の顔を覗き込む。

「あまり擦るな。目が腫れる」

 そう言って優しく涙を拭ってくれる弦さんと、家族になりたい。

「すみません、ありがとうございます」

 弦さんがどんな気持ちでいるのか、今後彼の気持ちがどう変わってしまうのかわからない。

 もしかしたらお父さんみたいに、浮気をするかもしれない。

 たとえそうなってもかまわない。……愛されなくてもいい、私はこの家族の一員になりたい。
 三人と一緒にいて、心から強くそう願った。