政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~

 そう言い聞かせなければ、自分にとって都合のいいことばかり考えてしまう。

 家に招き入れてリビングに案内すると、ふたりはさっき並べたばかりの料理の数々を見て歓声を上げた。

「まぁ、すごいご馳走じゃない」

「すまないね、気を遣わせてしまい」

「いいえ、そんな。あの、お口に合えばいいのですが」

 味見はしたし、弦さんもおいしいって言ってくれたけれど、やっぱり不安。

 私と弦さん、お義父さんとお義母さんがそれぞれ並んで座り、さっそくふたりとも料理に箸を伸ばした。私はただ様子を窺う。
 するとふたりは笑顔で言った。

「おいしいわ」

「あぁ、漬けものの塩加減も絶妙でうまい。それにちらし寿司も華やかでいいな」

「よかったわね、お父さん。お寿司好きですもんね」

 そうだったんだ。じゃあなおさらちらし寿司にしてよかった。

「弦は幸せ者ね。こんなに可愛くて料理上手なお嫁さんをもらって」

「本当だな。この歳になるまで、結婚を待った甲斐があるな」

 ふたりに言われ、またなんて返したらいいのかわからなくなる。