政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~

 結納と結婚式の時しかお会いしたことがないけれど、お義父さんもお義母さんも優しそうな人だった。
 でもあまり言葉を交わしていないし、私のことをどう思っているのかわからない。明日は粗相のないようにしないと。


 前日から準備を進め、迎えた土曜日。
 私は朝から料理に取りかかり、弦さんも手伝ってくれた。

「すごいな、クッキーにシフォンケーキまで用意したのか」

「はい、お茶する時にと思って」

 焼き上がったクッキーとふわふわのシフォンケーキ。失敗しなくてよかった。

「俺、料理は好きだけどお菓子だけは作れないんだ」

「そうなんですか?」

「あぁ」

 意外、あんなになんでもおいしく作れちゃうのに。

「味見してもいいか?」

「はい、もちろんです」

 焼きたてのクッキーを乗せたお皿を差し出すと、なぜか弦さんは手に取ることなく口を開けた。
「ん」

 えっ? これってもしかして、食べさせろってこと?

 アタフタしていると、弦さんは「早く」と催促してくる。これは食べさせないといけないようだ。