政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~

 昨夜あんなにいっぱいしたし、今日はいつもより帰りが遅かったもの。疲れているんじゃないの?

 すると弦さんは顔を上げて、ジッと私を見つめる。

「嫌か?」

 聞かれた一言に、ゆっくりと首を横に振った。

 嫌じゃない。こうして弦さんに触れられると幸せな気持ちになれるから。ただ恥ずかしくて、そして弦さんに抱かれることに慣れるのが怖いだけ。

「嫌じゃないなら続ける」

 そう言うと弦さんは優しく私の身体に触れる。

 もう何度も抱かれているのに、毎回心臓が壊れそうなほどドキドキする。

「未来」

 切なげに私を呼び、艶やかな瞳を向けられると胸がしめつけられて苦しい。

「弦さん」

 彼に求められることが嬉しくて手を伸ばせば、強く握り、そして抱きしめてくれる。

 今夜もやっぱり勘違いしてしまいそうになった。私は弦さんに愛されているのだと……。


 次の日。お昼休みに弦さんがお義父さんに聞いてくれて、土曜日は十一時頃に来ると連絡がきた。

 さっそく近所のスーパーに買い出しに出かけた私は、次々と食材をかごに入れていく。

 お昼ご飯はもちろん、その後はお茶するだろうし、クッキーかシフォンケーキでも作ろうかな。