政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~

 だけどママはお父さんを愛していたし、いつも私に「お父さんはすごい仕事をしているんだよ」
「未来もお父さんのこと大好きでしょ? ママも大好きなの」って話していた。でも、お父さんは違ったんだ。

 うろ覚えな記憶の中でも、鮮明に覚えていることがある。それはママが亡くなった日のこと。
 お父さんは今のお母さんとずっと浮気をしていて、私が二歳のときにお母さんは弟を身籠った。

 それを知ったママはショックで床に臥せるようになり、持病も悪化。そして二年後、私が五歳のときに亡くなった。

 ママの傍らで大泣きする私とは違い、お父さんが涙することはなかった。

 そしてお父さんはあっさりとお母さんと再婚。それと同時に二歳下の弟ができた。

 それからの私の人生は、決して幸せとは呼べないものだった。なに不自由ない生活の中で、行きたい学校にも進学させてもらえた。レベルの高い教育を受けさせてもらえて、女として恥ずかしくないようにと、数多くの教養も身につけさせてもらえた。

 恵まれた環境を与えてくれて感謝はしている。でもその代わり、愛情はいっさい与えてもらえなかった。

 ずっとお母さんは私を毛嫌いしていて、弟ばかりを可愛がる。お父さんはお母さんの手前、必要以上に私と話をしない。