今すぐには無理でも、いつか未来にも俺を好きになってもらい、本当の夫婦になっていきたい。
 そのためにも、できる限りふたりの時間を積み重ねていこう。

「かしこまりました。早急にまとめてスケジュールのほうを調整いたします」

「よろしく頼む」

 これまで仕事に身が入らなかったのが嘘のように、それから俺は仕事に没頭していった。

 もちろん未来と過ごす時間もとり、その中で少しずつ距離が縮まっていると感じ始めた頃。

 俺たちの挙式、披露宴は多くの招待客を招いて執り行われた。

「それでは誓いのキスを」

 親族や友人たちに見守られ、純白のウエディングドレスを身に纏った未来と向かい合う。

 ゆっくりとベールを捲ると見えた未来は、しっかりとメイクされていて、とても大人っぽくてきれいだ。そして緊張しているように見える。

 それもそのはず。俺と未来は手を繋ぐくらいしか触れたことがない。今日初めてキスを交わすのだから。

 彼女の両肩に手を乗せて、ゆっくりと近づく。俺のスピードに合わせてギュッと目を閉じた未来に、そっと囁いた。

「生涯かけて、キミを幸せにすると誓う」

「えっ?」

 目を開いた未来にキスを落とす。それは彼女と交わす初めての口づけ。

 永遠の愛を誓うと同時に、俺の生涯をかけて、キミを幸せにすると誓おう。