政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~

 思わず大きな声が出てしまい、慌てて口を両手で塞ぐ。彼もまた私に向かって人差し指を立てた。

 そっと叶夢を見ると、起きることなく眠っていてホッと胸を撫で下ろす。

「仕方ないな」

 ため息交じりに言うと、弦さんは私の腰に腕を回して抱き上げた。

「キャッ!?」

 身体が宙に浮き、怖くて弦さんの肩にしがみつく。すると彼はクスクスと笑いながら聞いてきた。

「どう? 叶夢がすぐ眠くなるほどうまいか?」

「……っ! わかりません」

 意地悪な顔で言うものだからムッとなる。そんな私に彼の笑いは増すばかり。

「それは残念」

 私を抱き上げたまま弦さんはベッドに移動して腰を下ろした。私を自分の膝の上に座らせると、優しく頬を撫でる。

「今日は楽しかったな」

「はい」

 久しぶりに弦さんとデートができて、すごく楽しかった。

「叶夢のことが気になって、早くに切り上げてきたが、でもこれからもふたりで過ごす時間は必ず作ろう。俺に未来を甘やかす時間をくれ」

「弦さん……」