政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~

 車から降り、施錠して未来のもとへ向かうと、彼女は入口ゲートをジッと見つめていた。それも目をキラキラさせて。

「未来……?」

 これは喜んでもらえている?

 彼女の名前を呼ぶと、慌てて表情を引きしめた。

「すみません、遊園地に来たのは人生で二度目だったので嬉しくて」

 二度目? 俺の聞き間違い? いや、そうだよな。未来の年齢で遊園地にたった一度しか来たことがないなんて。

 信じられずにいると、未来はしどろもどろながら話してくれた。

「初めて遊園地に来たのは、一年前なんです。大学の友達に誘われてみんなで行ったんですけど、可愛いキャラクターがいて、スリルがあるアトラクションがたくさんあって、おいしい食べものもあって……。まるで夢のような場所ですよね!」

 興奮気味に言う未来は、笑顔がとても似合っている。

 なんだ、こういうところは普通の大学生の女の子だな。遊園地で喜んでくれるなんて。

 しかし、なぜ大学生になるまで遊園地に来たことがなかったのだろう。普通、幼少期は両親に連れられて来るものじゃないか?
 いくら父親が社長で仕事が忙しいとしても、一度くらいはあってもいいのに。