政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~

 頭を下げると、竹山は専務室から出ていった。ひとりになった室内で深いため息が零れる。
 そのまま椅子の背もたれに体重を預けて天を仰ぐ。

「恋、してるか」

 苦い思いをしてからというもの、恋愛から遠ざかり、今後もするつもりなどなかったのにな。
 不思議なものだ。今になってこれほど気になる存在ができるとは。

 こうして仕事中にもかかわらず、顔が見たい、会いたいと思う。
 まだ不確かな気持ちだが、この先彼女と一緒に過ごす時間を積み重ねていけば、この気持ちがもっと大きくなりそうな気がする。

 未来と会う時間を増やすためにも、仕事を早く終わらせなくては。それにいつまでも進まなかったら、竹山に渋い顔をされそうだ。

 気持ちを入れ替え、竹山が置いていった多くの書類に目を通していった。



 次の週末。未来を誘ってやって来たのは都内の遊園地。デートする場所としては少し子供っぽいかと思ったが、竹山に学生の未来なら喜ぶに決まっていると言われて来た。

 だけど、どうなんだ? これまで婚約者たちと何度かデートをしたことはあるが、遊園地に行ったことはない。

 未来と食事や舞台やオペラ鑑賞と、様々な場所に行ったが心から楽しんでいるようには見えなかった。
 子供っぽい場所だと思われ、楽しんでもらえなくないだろうか。