政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~

「大変じゃないか。すぐに病院へ行こう」

「あなた落ち着いて。初産だと陣痛がきたといっても、すぐに受け入れてくれないのよ」

「なんだって? あんなに痛そうにしていたのにか?」

「えぇ。とにかく一度マンションへ戻りましょう」

 そう言うとふたりは私を気遣いながらマンションへと急ぐ。

 信じられない。これがあのお父さんとお母さん? どうして私の心配をしているの? そもそもなぜここにいるの?

 混乱しながらもマンションに入ると、両親はロビーのソファに私を座らせた。するとお母さんが私の様子を窺いながら聞く。

「未来、病院へは連絡をした?」

「いいえ、まだです。陣痛もさっき始まったばかりで……」

 困惑しながらも答えると、お母さんは「そう」と呟き、真剣な顔で考え込む。

「間隔はまだ長いし、一度部屋に戻って入院の準備などをしたほうがいいわね。あなたは病院へまず連絡をして指示を仰ってください。それから弦さんに連絡を」

「あぁ、そうだな。わかった」