政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~

 重くならないよう、必要な食材だけを買って会計を済ませる。

「ありがとうございました」

 妊婦だからか、店員が買ったものすべてエコバッグに詰めてくれて助かった。

 荷物を手に来た道を戻っていく。そろそろお昼時ということもあって、すれ違う人は少ない。

 進むスピードを速めて歩くこと数分、急に激しい痛みに襲われた。

「痛っ」

 その痛さは今まで感じたことがないもので、その場にしゃがみ込んでしまう。

 なにこの痛みは。……もしかして陣痛? つらい生理痛のような、なんとも言えぬ痛さに立ち上がることができない。だけど少しすると痛みが和らいだ。

 これ、絶対陣痛だよね? まだ出産予定日じゃないのに。

 お産は予定通りに進まないことは、散々学んできたし、陣痛がどんなものかも理解している。
 だけど実際に始まると、頭の中が真っ白になる。

「とにかく戻ろう」

 陣痛が始まってもすぐに病院へは行けない。間隔が十分くらいになったらって先生に言われているもの。

 腕時計で今の時間を覚え、立ち上がってマンションへ急ぐ。短い距離が今日は異様に長く感じる。