政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~

 彼はなにもしないでおとなしく過ごしていてくれって言っていたけれど、却っておとなしくしていたら、弦さんがいない寂しさを余計に感じそう。

「無理しない程度ならやってもいいよね」

 綺麗な部屋で明日の夜帰ってくる弦さんを出迎えたい。そう思い、掃除に取りかかる。

 掃除を終えると、今度はおいしいご飯を作って食べてもらいたくなる。

 冷蔵庫の中を覗くと、あまり食材がない。

 そうだった、買いものはいつも週末にふたりで行っていたから、家政婦の作り置きのおかずしかないんだった。

 昨日、私の二日分のおかずを用意してもらったから食事には困らないけど……。

「散歩がてら、近所のスーパーに行ってみようかな」

 医者からも適度な運動は必要だと言われているし、スーパーは歩いて十分ほどの距離にある。

 それに今日は雲ひとつない青空が広がっている。こんなにお天気がいいと、外を歩きたくなるよ。

 身支度を整えてさっそく出かける。

 コンシェルジュに買い物に行くことを伝えて外に出ると、心地よい風が吹いた。

「いいお天気。お散歩日和だね」