政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~

 次の日の早朝。竹山さんが迎えにきてくれて玄関まで見送りに出た。

「くれぐれも俺がいない間は、気をつけてくれ。それとなにかあったら必ず連絡をすること」

 念を押す弦さんに、口元が緩む。本当に弦さんってば心配しすぎ。明日には帰ってくるというのに。

「はい、わかりました」

 返事をしても弦さんはまだ心配なようで、「あと……」と言いかけた時、ずっと静観していた竹山さんが声を上げた。

「専務、いい加減にしてください。そろそろ出ないと間に合わなくなります」

「わかってる。だが、心配なんだ。父さんと母さんまでもが、今日から一泊で温泉に行くと言うし。本当に未来になにかあったらどうする?」

 そうなのだ。昨夜、夕食後に再び私のことが心配になった弦さんは、お義父さんとお義母さんにも連絡を入れた。

 しかしふたりは今日から親しい友人夫婦と温泉旅行。これだけみんなの予定が重なると、私になにか起こる予兆ではないかと気に揉んでいる。