政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~

「未来にそこまで言われたらわかったと言うしかないな。竹山も出張中、俺が未来の心配ばかりしていたら気遣うだろうし。……出張中は仕事に集中するよ」

「はい、そうしてください」

 彼の言葉を聞きホッと胸を撫で下ろす。

「だが、そのために安心して出張に行かせてくれ」

「え?」

 スマホを手に取ると、弦さんはどこかに電話をかけ始めた。

 誰に電話しているんだろう。仕事の相手ならいつも別室に移動して電話しているし、仕事相手ではないと思うけれど……。

 少しすると電話の相手が出たようで、弦さんが口を開いた。

「悪い、今大丈夫か? ……あぁ、実は頼みたいことがあって」

 そう切り出すと、弦さんは明日から二日間出張に行くことを相手に伝える。「そうか、それじゃ仕方がないな。いや、大丈夫だ、敬一も忙しいのにすまなかった」

 聞こえてきた弟の名前。電話を終えた弦さんは残念そうに話してくれた。