政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~

 愛しくて大切な存在。そんなこの子にも、両親が冷たく当たったら? 私と同じような思いをこの子には絶対にさせたくない。
 周りの人たちから愛されて幸せを感じながら、スクスクと成長してほしい。

 それに私の子供だもの。あの両親が可愛がってくれるとは思えない。だったらもう両親はいないと思うべきなんだ。

 生まれてくるこの子にも、祖父母は愛してくれるお義父さんとお義母さんだけで充分。

「……そうか、わかった」

 弦さんは私を抱きしめる腕の力を強め、それ以上は両親のことに触れなかった。

 きっとママなら私が愛する人との子供を身籠ったら大喜びしてくれて、なにかとサポートしてくれていたんだろうな。
 赤ちゃんが生まれたら、溺愛してくれたはず。

 たらればの話を思い描いて切なくなる。本当にママが生きていてくれたらと、これまで何度思ったか。

 でもきっと今の私を見たら、ママは安心してくれるよね。好きな人と幸せな日々を送り、子供まで授かれたのだから。

 私の判断も間違いじゃないと言ってくれるはず。

「そろそろ出ようか」

「はい」

 この日の夜も彼に抱きしめられて眠りに就いたものの、両親の顔がチラついてなかなか寝つくことができなかった。