「あの日からご両親のことには触れずにきたが……出産間近になり、気持ちに変化はあったか? 会いたいと思ったり、もう一度話しをしたいと思ったり」
彼に言われ、自分に問いかける。あの両親と会って話をしたいのかと。
その答えはすぐに出て首を横に振った。
「いいえ、そう思いません。出産間近だからこそ会いたいとは思いません」
またあんなことを言われたら? せっかく忘れかけてきたのに、記憶を辿ると鮮明に思い出し、両手をギュッと握りしめた。
それに気づいた弦さんは、背後から優しく私を抱きしめる。
「悪い、嫌なことを思い出させたな。……未来が会いたくないならそれでいい。ただ、出産は特別なことだろ? 長年一緒に暮らしてきたご家族だ。もし未来の気持ちが変わり、ご両親に生まれてくる子供を会わせてやりたいと考えていたら、力になりたいと思ったんだ」
どこまでも優しい彼に温かな気持ちでいっぱいになる。
「ありがとうございます。でも、私にとって家族は敬一と弦さんたちだけです。もう両親のことは親と思っていません」
赤ちゃんを身籠り、出産間近となってその思いは強くなっている。
彼に言われ、自分に問いかける。あの両親と会って話をしたいのかと。
その答えはすぐに出て首を横に振った。
「いいえ、そう思いません。出産間近だからこそ会いたいとは思いません」
またあんなことを言われたら? せっかく忘れかけてきたのに、記憶を辿ると鮮明に思い出し、両手をギュッと握りしめた。
それに気づいた弦さんは、背後から優しく私を抱きしめる。
「悪い、嫌なことを思い出させたな。……未来が会いたくないならそれでいい。ただ、出産は特別なことだろ? 長年一緒に暮らしてきたご家族だ。もし未来の気持ちが変わり、ご両親に生まれてくる子供を会わせてやりたいと考えていたら、力になりたいと思ったんだ」
どこまでも優しい彼に温かな気持ちでいっぱいになる。
「ありがとうございます。でも、私にとって家族は敬一と弦さんたちだけです。もう両親のことは親と思っていません」
赤ちゃんを身籠り、出産間近となってその思いは強くなっている。



