政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~

「えっと……つまり結婚後、家事をすればいいんですよね?」

 あまりに普通に返してくるものだから、困惑しながらも「あぁ」と返事をすれば、初めて彼女は表情を緩めた。

「それでしたら私にもできます。料理や掃除など、一通り教わっておりますので」

「そう、か」

 予想外の回答だった。これまでの婚約者たちは、西連地に嫁いでまで家事などしたくないと反発していたというのに。

「しかしまだまだ未熟ですので精進いたします。……こんな私ですが、どうぞよろしくお願いいたします」

「いや、こちらこそよろしく頼む」

 再び深々と頭を下げる彼女に調子が狂う。

 俺よりも八歳下だというのにどこか落ち着いていて、今まで出会ってきた女性とは違う彼女のことが、俺は気になってたまらなくなった。

 無事に結納を済ませ、彼女……未来が大学を卒業してから籍を入れることとなったが、それまでの間に俺は頻繁に未来と会う時間を設けた。

「あの、いいのでしょうか? こんなお店に連れてきてもらって」

 行きつけの日本料亭の個室に通されると、恐る恐る聞いてきた未来に目を瞬かせてしまう。