政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~

「いいでしょう、敬一ももう大人になったのだから真実を話しても。……敬一、私はね後妻なの。未来の母親が亡くなったから結婚できたものなのよ。好きな人が家のために結婚し、子供までできてどんなに苦しかったか。それにあの女、私に言ったのよ。『主人のことを大切に想うなら、身を引いてください。あなたの存在が主人の立場を危うくさせることになるんですよ』って。愛されず、家のために結婚したくせにっ……」

 初めて知るお母さんの悲痛な思いに泣きそうになる。

「やっといなくなってくれたと思ったのに、こんな邪魔者を遺していくなんていい迷惑よ。……私はね、未来を見るたびにあなたのお母さんを思い出し、はらわたが煮えくり返るのよ。歳を重ねるごとにそっくりになっていくんだもの」

 最初から嫌われていると感じていたけれど、まさかこんなにも憎まれていたなんて……。やっぱり私は愛されていなかった。この先もお母さんから愛されることはないのだろう。

 淡い期待を抱いていた自分がバカみたいだ。きっとお父さんも同じ気持ちだよね。だからなにも言わないんでしょ?