「私、弦さんと本物の夫婦になってこの子を迎え入れたいって思ったんです。だから本当に私も嬉しいです」

 戸惑いながらも一生懸命自分の気持ちを伝えてくれる未来が、愛おしくてたまらない。

 自分がつらい思いをしてきたからこそ彼女は、子供に同じ思いをさせたくないと思ったのだろう。

 本当、しっかりと言葉にして好きと伝えていなかった自分が悔やまれる。これからは後悔しないよう、感じた気持ちや抱いた感情をすべて彼女に伝えよう。

「弦さんとふたりで、この子にたくさんの愛情を注いであげたいです」

「あぁ、そうだな」

 俺も同じ気持ちだ。生まれてくる子が幸せだと感じるほどの愛情を与えてやりたい。

 再び彼女を抱きしめ、優しく髪や背中を撫でる。

「ふたりで大切に育てていこう」

「はい!」

 返事をすると未来は珍しく、ギュッとしがみついてきた。そして頬を摺り寄せてくる。

 これは甘えてくれているのだろうか? 未来はこうやって甘えるんだな。

 可愛い行為に胸がしめつけられる。

 この先なにがあっても未来と、そして生まれてくる子供をしっかりと守っていこう。

 彼女を抱きしめながら強くそう誓った。