美香に妊娠しているんじゃないって言われるまで、考えもしなかった。だけど私は弦さんと結婚したんだもの。いずれ子供を授かる時がくると理解していた。
だけどいざその時がきたのかもしれないと思うと、どうしてこうも心が落ち着かないのだろう。
もし妊娠していたら、私はどう思うの?
その答えは出ず、静かな待合室で呼ばれるのを待っている間、美香はなにも言わずにずっと手を握っていてくれた。
今日は混み合っているようで、なかなか超音波検査の順番が来ない。
「気分は平気?」
「うん、大丈夫」
不思議と吐き気が襲ってこない。緊張しているからだろうか。
それから待つこと十五分。やっと名前を呼ばれた。
「一緒に行こうか?」
立ち上がった私を心配そうに見つめる美香に、首を横に振った。
「ひとりで大丈夫」
病院にまで付き添ってくれたんだもの。そこまで甘えられないよ。
気丈に振る舞って案内された診察室に入ると、そこにいたのは五十代くらいの優しそうな女性医師だった。男性ではないことに少しホッとする。
だけどいざその時がきたのかもしれないと思うと、どうしてこうも心が落ち着かないのだろう。
もし妊娠していたら、私はどう思うの?
その答えは出ず、静かな待合室で呼ばれるのを待っている間、美香はなにも言わずにずっと手を握っていてくれた。
今日は混み合っているようで、なかなか超音波検査の順番が来ない。
「気分は平気?」
「うん、大丈夫」
不思議と吐き気が襲ってこない。緊張しているからだろうか。
それから待つこと十五分。やっと名前を呼ばれた。
「一緒に行こうか?」
立ち上がった私を心配そうに見つめる美香に、首を横に振った。
「ひとりで大丈夫」
病院にまで付き添ってくれたんだもの。そこまで甘えられないよ。
気丈に振る舞って案内された診察室に入ると、そこにいたのは五十代くらいの優しそうな女性医師だった。男性ではないことに少しホッとする。



