政略夫婦の授かり初夜~冷徹御曹司は妻を過保護に愛で倒す~

 それにこの先のことを考えるのは、妊娠しているとわかった時でいい。妊娠していなかったら、無駄に悩んで不安になっただけになってしまうもの。

 そう自分に言い聞かせると、気持ちも軽くなる。

「よし、じゃあ行こう! 予約優先ってかいてあったけど、待てば診てくれるみたいだし。未来、保険証忘れないようにね」

「うん」

 戸締りを済ませて、美香に付き添ってもらい近所の産婦人科医へと向かうと、待合室は少し混み合っていた。

 妊娠しているかどうか検査をしてほしいと受付で伝えると、問診票を渡された。それとこれから行う検査についても説明された。

「こちらにご記入をお願いします」

「はい」

 待合室には妊婦さんが大勢いて、なんだか緊張する。

 美香の隣に座って問診票に記入を終えると、尿検査用のカップを渡された。

「トイレの個室に専用のドアがありますから、そこに置いてください」

「わかりました」

 尿検査が終わったら、あと超音波検査をしてそれで妊娠しているかわかるんだ。

 病院に着いてからずっと心臓は速く脈打ったまま。緊張がまったく解けない。