私は徒歩10分の東佐久原高校に着いた。

「校舎めっちゃ綺麗」

私はこれから3年間通う学校を眺めていた。

「あれ?坂本?」

「えっ…」

私は聞き覚えのある声に声をかけられた。

その声は私の大好きな高岡先輩……

ではなく、小学生3年生ぐらいからの仲の裕太だった。

「お前も東佐久原高校受かったんだ?」

「そうだよ?高岡先輩に会いたかったから」

「え?大輝先輩に会いたくてこの学校を志望?よくそれで受かったな」

「私をバカにしないでくれます?私だってやれば出来ますし」

私はムスッとした顔で裕太を睨む真似をした。

「まぁそんな怒るなって、3年間またよろしくな」

裕太はそう言ってクラスを確認しに行った。

顔はかっこいい顔してるし、性格はいいから裕太はかなりモテる。

私は一時期裕太と付き合っていた時があった。

裕太と付き合っていたのは中学2年生の時。

すごく幸せな付き合いだったけど私の自分勝手な理由で振ってしまった。

その理由が自分の好きなことに専念したい。

裕太はそれを理解してくれて今はいい友達でいることが出来ている。

「裕太は裕太を大切にしてくれる人と幸せになってね」

私は裕太の後ろ姿をみて呟いた。

その時佳奈がやってきた。

「結衣!おはよう」

「佳奈~おはよ!相変わらず女子力高いね」

佳奈はほんのり甘い女の子らしい匂いを漂わせていた。

そして髪の毛もナチュラルにセットしていて周りの男の子たちは佳奈をじっと見ている。

「そう?やっぱり彼氏のために自分磨きしないとだし」

佳奈は笑顔で言った。

佳奈は1年ほど前から付き合っている彼氏がいる。

その佳奈の彼氏は私も何回か会ったことがあるけどとても優しくて佳奈とすごくお似合い。

そして可愛さもあり、母性本能をくすぐられる感覚になる。

「そっか、自分磨き頑張ってね!」

「頑張る!って私より結衣だよ!高岡先輩のために自分磨きした?」

「あ~…しようと思ってるんだけど続かないっていうか」

「自分磨きは継続が大事だよ?続かなくても色んな方法試すだけでも違うと思う」

「やっぱりそうだよね~私頑張ってみる!」

自分磨きは高岡先輩のため。

高岡先輩に振り向いてもらうため。

高岡先輩と幸せになりたいから。

私はかなり飽きやすいタイプだけど好きな人が出来たら長続きする。

だから好きな人のためなら自分磨きを続けられる気がする。

いや、しないとダメなんだ。