政府が下した「地球解放宣言」により人工衛星から投下される核爆弾で人類が消滅するその地球最後の日、人間の自由は滑稽で笑えた。

 愛する者と殺される前に心中する者、天寿を全うする者、犯罪に挑む者。ほぼ治外法権と化した世界でおれは最期に、電車に乗り込むことを決めていた。

 地球が終わる最後の日、どうせ世界はいつも通り回らないし公共交通機関が果たして意味を成さないことを、おれは知っていたからだ。















 峰がとん、と指でおれの肩を叩く。



「侑吏」

「ん」

「シャッターチャンス」