榎本さんに言われたことが頭の中をずっとぐるぐるしていた。
"絃を苦しめてまで得た幸せって本当に幸せですか?"
その言葉が頭から離れない。
違うの、そんなつもりはなかったの。
どうにか6時限目まで授業を受けていたけど、さすがにもうダメかもしれない。
6時限目の途中に稜くんが保健室に連れていってくれた。
「ごめんね…稜くん」
「なんか言われたの?」
ベッドに寝っ転がった。
「絃の友達にね、これ以上絃を苦しめないでって…」
稜くんは無言だった。
「絃を苦しめてまで得た幸せって本当に幸せですか?って」
「……そう、だな」
「わたし、絃が藤田くんのこと好きなの知らなかったの」
「え、それ…」



