すきって言って



「どうかした?泉呼ぶ?」


鳴瀬くんは私に気付きこっちに来てくれた。


「あ、ううんその…地理の教科書貸して欲しくて」


「教科書?ちょっと待ってて」


鳴瀬くんが自分の机から教科書を持ってきてくれた。


「こういうのは泉に借りた方がいいんじゃねーの?」


「そうなんだけどね…はは」


「教室戻らなくていいのか?あと1分で授業始まるぜ」


「えっ!あ、うん!放課後返すね!」


鳴瀬くんに慌てて手を振り自分の教室へ向かった。




鳴瀬くんにせっかく教科書借りたっていうのに……


黒板には大きな文字で『自習』と書かれていた。


「先生今日出張なんだって」


「えーっ、せっかく借りてきたのに…」


「成績危ういんだから自習に使えばいいだろう」


それもそうでした。仕方ない、勉強しよう…